全世界のスマートフォン出荷数は12%増加か
9to5Googleによると、市場調査会社のCanalys社は、チップ不足の問題にもかかわらず、今年の世界のスマートフォン出荷台数は12%増加すると予測していると報じました。
Canalys社の最新の予測によると、2021年の世界のスマートフォン市場は12%成長し、出荷台数は14億台に達するとのことです。
コロナウイルスの影響で市場が昨年は出荷台数が7%減少したのにも関わらず、今年は力強い回復をし出荷数が増大するとのことです。
半導体不足がスマートフォン出荷数の足かせに。
世界では先進国を中心にコロナウイルスのワクチンが普及してきており、工場の生産もこれまで通りに戻りつつあります。
次に問題となっているのは、半導体不足が挙げられます。
Wedge Infinityによると、コロナウイルスの拡大により、自動車の減産などが見込まれ半導体も伸び率も1%低下されると予測されていました。
しかし、中国が想像以上にコロナからの復活が早く、EV普及や5Gへの設備投資などが急速に進んだことや世界中でテレワークの需要拡大によってPCの生産が行われたことなど複数要因が重なったことにより半導体が不足しました。
リサーチマネージャーのBen Stanton氏は、「世界中のスマートフォンメーカーで入荷待ちが発生している。すべてのブランドが苦境に立たされるだろう」と述べています。
また、ここ数ヶ月でインドではコロナウイルスの拡大が猛威を奮っており、インドにチップセット生産工場があるベンダーは他の地域の工場での稼働率を上げるようにし、チップセットの供給に間に合うよう努力しているようです。
ベンダーはインド以外での国の稼働率を上げて生産を滞らないようにしているようですが、供給より需要が高まっているため追いつかないようです。
Ben Stanton氏は、「ベンダーは先進国に生産ユニットを集中させて、他の地域のコロナウイルスからの回復とチップセットの供給不足の回復を行うだろう」と述べています。
スマートフォンが値上げする?
Canalys社のNicole Peng氏は、「この問題のもう1つの側面は価格設定です。チップセットやメモリなどの主要部品が値上がりすると、スマートフォンベンダーはそのコストを吸収するか、消費者に転嫁するかを決めなければなりません」と述べています。
そのため、場合によってはスマートフォンが値上げしユーザーが負担する必要があるかもしれません。
米国では、政府がチップ生産に520億ドルの投資を行っているため、その資金のおかげで値上げが行われない可能性もあります。
PCのグラフィックボードのように価格の暴騰が行われることは少ないかと思いますが、値上げの可能性もあるので今後の動向に注意が必要です。