NTTが4兆円をかけてドコモを子会社に
NTTが携帯事業を手がけるNTTドコモを完全子会社化すると報じました。
9月30日から株式公開買い付け(TOB)を行うとされており、その額は4兆2500億円になります。この額は、国内企業でのTOBで過去最大とされています。
NTTは、ドコモの株を66%保有していますが、残りの34%を個人投資家などからTOBで買い取るとのことです。
子会社化で携帯料金引き下げの期待も?
先日、菅総理大臣が新たに就任してから、携帯料金の値下げについて注目されています。
というのも菅総理自身がこれまで力を入れてきたのは、携帯料金の値下げでした。
大手キャリアの商習慣として端末購入と契約を一体化し、2年縛りなどの長期契約を結ばさせることが、通信料金の高止まりを招く要因としているようです。
今回のドコモの子会社化についてNTTの澤田社長は「ドコモの競争力と成長」を目的と述べています。
現状、ドコモはシェア率では、大手3社の中ではトップにいますが、利益では3社の中で最下位となっています。そのような状況も打開しようというのが今回の目的のようです。
さらに澤田社長は、「(NTTコムウェアやNTTコミュニケーションズをドコモ移行することで)結果的に料金値下げにつながる」と述べています。
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KDDIとソフトバンクにとっては脅威になりうる?
NTTは、固定通信を担う事業者でそれに関する法律(日本電信電話株式会社等に関する法律)の対象になる特殊法人になります。
具体的には、NTTは旧電電公社の電話回線網の設備などを引き継いでいるため、民営化後も一定の規則のもとで事業を行わないといけません。
NTTにとってはこの法律があるがために足かせとなっていた部分もありますが、これまでNTTグループとしてが培ってきた技術を集結させることによって、場合によってはNTTドコモが他の2社にとっては脅威となる可能性があります。
また、これによりNTTドコモが1強となれば、公正な競争ができなくなる可能性があるとしており、KDDIとソフトバンクの両社とも「NTTグループの経営形態・在り方は検証すべき」とコメントを発表しています。
まとめ
- NTTがNTTドコモを完全子会社化することが決まりました。
- NTTは個人投資家が保有するドコモ株の34%に関して4兆2500億円でTOBを行うことを発表しています。
- NTTの澤田社長は今回の子会社化に関して、グループ会社をドコモへ統合することで結果的に携帯料金値下げにつながると述べています。
- 携帯料金値下げについては、菅新総理が長年取り組んできたことの1つであり、新内閣でも注力している事項の1つでもあります。